業種・職業

演劇・舞台の初見殺しマナー

劇場で働く俳優・裏方と観客の間に受け継がれてきた、験担ぎと客席の作法。

6 件。初見殺し度の高い順に並べています。

初見殺しその集団の外から来た人には善意・普通の行いに見え、理由を知らなければ避けようがない。

初見殺し 確認済 迷信として知られる程度

「マクベス」と言う

劇場の中(楽屋・客席・稽古場を含む)で、上演中の演目でもないのに「マクベス」という題名を口にする。

なぜ — 不運を呼ぶ(ジンクス)
シェイクスピアの『マクベス』は呪われた芝居とされ、劇場で題名を言うと事故や不運を呼ぶと信じられている。由来には、劇中の魔女の呪文が本物だったため魔女たちが芝居を呪ったという伝説、経営難の劇場が客を呼べる『マクベス』を掛けることが多く「マクベス=劇場が危ない」の連想が生まれたという説、上演中の事故(1937年オールド・ヴィックで落下した錘がローレンス・オリヴィエをかすめた件など)の積み重ねという説がある。
やってしまったら・言いかえ
「The Scottish Play(スコットランドの芝居)」と言い換える。言ってしまったら、劇場の外に出て3回まわり、唾を吐き、悪態をつくか他のシェイクスピア作品の台詞を唱えてから、ドアをノックして中に入れてもらう、というお祓いの作法がある。

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出典 1 件
  1. The Curse of the Scottish Play | Macbeth | Royal Shakespeare Company業界団体
初見殺し 確認済 迷信として知られる程度

「幸運を」と声をかける

本番直前の俳優に、励ましのつもりで「Good luck(幸運を)」と声をかける。

なぜ — 不運を呼ぶ(ジンクス)
舞台の世界には、幸運を口に出して願うとかえって不運を招くという迷信があり、逆に不運を願う言葉で送り出す習慣が生まれた。代わりに使う「Break a leg(脚を折れ)」の由来ははっきりせず、「活発に演じろ」という激励説、カーテンコールでお辞儀(膝を曲げる)を何度もするほど成功しろという説、舞台袖の幕(legs)を越えて出ていけという説などが並立している。
やってしまったら・言いかえ
「Break a leg」と言う。バレエ・ダンスの世界では「Merde(フランス語で『くそ』)」と言うことが多い。ドイツ語圏にも同趣旨の「Hals- und Beinbruch(首と脚を折れ)」がある。

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出典 1 件
  1. Break A Leg - Meaning & Origin Of The Phrase (The Phrase Finder)その他
初見殺し 確認済 迷信として知られる程度

舞台で緑の衣装や小道具を使う

フランスの劇場で、俳優の衣装・小道具・舞台装置に緑色のものを使う(緑の花束を楽屋に贈るのも同じ)。

なぜ — 不運を呼ぶ(ジンクス)
フランスの舞台では緑は不運の色とされ、身につけるのを嫌う俳優がいる。由来には複数の説があり、裏切り者ユダの衣装の色だったから、モリエールが舞台で倒れたときに着ていたのが緑だったから、当時の緑の染料・塗料に毒性のある銅の酸化物が使われていたから、などが挙げられる。フランスの劇場では「corde(綱)」という語も禁句とされ、弔いの鐘を引く綱や処刑の綱を連想させるためだと説明される。
やってしまったら・言いかえ
差し入れの花や衣装の小物に緑を選ばない。舞台裏では綱のことを「ficelle」「guinde」など別の言い方で呼ぶ。

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出典 1 件
  1. Superstition — 演劇の項(フランス語版 Wikipedia)事典

気づきにくい何となく避けたほうがよさそうと感じるが、理由までは推測できない。または限られた場面でしか問題にならない。

気づきにくい 確認済 年配・改まった場では気にする

口笛を吹く

劇場の舞台上や舞台袖・バックステージで口笛を吹く。

なぜ — 不運を呼ぶ(ジンクス)
電気が使えなかった17〜19世紀の劇場では、進行役が口笛や鐘で場面転換の合図を出しており、台本にも口笛の合図を示す「W」の書き込みが残っている。ロープや帆布の扱いに慣れた船乗りが裏方として雇われ、船上の口笛の合図を持ち込んだとも言われる。無関係な人が口笛を吹くと背景幕が早く降りてくるなど事故につながったため、実害のある禁止事項が迷信として残った。
やってしまったら・言いかえ
劇場の舞台上や袖では口笛を吹かない。

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出典 2 件
  1. Why You Should Never Whistle Onstage | Playbill業界団体
  2. Feeling Superstitious: Ghost Lights and Whistling Backstage - Shakespeare Theatre Company業界団体
気づきにくい 確認済 年配・改まった場では気にする

舞台に声を掛ける

歌舞伎を見慣れない客が、見よう見まねで芝居の途中に「成田屋!」「待ってました!」と屋号や掛け声をかける。

なぜ — そのほかの理由
歌舞伎の掛け声(大向こう)は、役者の登場・見得・台詞の間など「決まるべき瞬間」に合わせて掛けるもので、芝居の一部として演出に組み込まれている。間を外した声は様式美を壊し、演じる側の呼吸まで狂わせるため、ヤジや雑音と同じ扱いになる。
やってしまったら・言いかえ
声を掛けたいなら、何度も通って芝居の間をつかむまでは拍手にとどめる。大向こうの会が主催する勉強会(関西の「関西・歌舞伎を愛する会」など)で、タイミングや声色を学ぶ道もある。

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出典 1 件
  1. 歌舞伎の掛け声「大向こう」、飛び入りしていい? - 日本経済新聞報道
気づきにくい 根拠薄 迷信として知られる程度

孔雀の羽を持ち込む

芝居の衣装・小道具・舞台装置に孔雀の羽を使う。

なぜ — 不運を呼ぶ(ジンクス)
孔雀の羽の模様が「邪視(evil eye)」に見えることから、舞台に出すと公演に災いが起きるとされる。英国やギリシャには演劇に限らない孔雀の羽の不吉観があり、それが演劇界に入り込んだという見方もある。
やってしまったら・言いかえ
制作に関わる誰かがこの迷信を気にするなら、孔雀の羽は使わない(別の羽や造花で代用する)。

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出典 1 件
  1. Theatre Occupational Superstition: Peacock Feathers on Stage | USC Digital Folklore Archives学術