2 つの文脈

赤ペンで名前を書く

同じ「赤ペンで名前を書く」でも、韓国・台湾・中国・日本で、ダメとされる理由や強さが違います。

表は横にスクロールできます →

「赤ペンで名前を書く」の文脈ごとの違い
どこで・だれが ダメな理由 どれくらい 初見殺し度 やってしまったら
韓国・台湾・中国 弔事の花・色・品 年配・改まった場では気にする 気づきにくい 名前は黒か青で書く。先生の採点や印鑑の朱肉は例外扱いなので、気にするのは「名前を」赤で書くときだけ。
日本 弔事の花・色・品 気にする人もいる 気づきにくい 改まった場では黒か濃紺で書く。
気づきにくい 確認済 年配・改まった場では気にする

韓国・台湾・中国

韓国・台湾・中国で、生きている人の名前を赤ペン・赤インクで書く。

なぜ — 弔事の花・色・品
赤で書かれた名前は死者や罪人を連想させ、生きている人の名前を赤で書くのは「死ね」と言うのに近い失礼と受け取られる。由来には、昔の中国で罪人の署名や死刑執行の文書に朱墨が使われたという説(それが朝鮮にも伝わったとされる)と、閻魔大王が生死簿の中で連れて行く者の名を朱筆で囲むという民間信仰の説がある。
やってしまったら・言いかえ
名前は黒か青で書く。先生の採点や印鑑の朱肉は例外扱いなので、気にするのは「名前を」赤で書くときだけ。
補足
韓国の JoongAng Daily はこれを「非常に失礼」としている。若い世代では気にしない人も増えている。台湾では赤ペンで手紙を書くと絶交状の意味になるとも言われる。「皇帝だけが朱筆を使えた」とする説もあるが、確かめられていない。死者の名を赤で書く習慣に結びつける説明もネット上に多いが、確かな裏付けは無い。日本にも同じ忌避があるが、由来の説が分かれ根拠も弱いので別の項目にしてある。
出典 4 件
  1. Superstition in Korea - Wikipedia事典
  2. [WHY] Beware fan death and evil mice doppelgangers - Korea JoongAng Daily報道
  3. Did you know?: In Korea, never use a red pen to write person's name - Stripes Korea報道
  4. 為什麼不能用紅筆寫名字?專家曝禁忌:跟亡者有關(風傳媒)報道
気づきにくい 一部誇張 気にする人もいる

日本

日本で、年賀状・のし袋・改まった手紙などに、人の名前を赤い字で書く。

なぜ — 弔事の花・色・品
生きている人の名前を赤で書くのは縁起が悪い、失礼とされることがある。理由としては、かつて絶縁状や督促状に朱を用いたこと、赤字が訂正や損失を連想させること、生前に建てた墓(寿陵)の戒名を朱で入れて死後に朱を落とす習わしなどが挙げられるが、どれも定説ではなく諸説が並んでいる。国立国会図書館のレファレンス事例でも、根拠として示せたのは手紙のマナー本の記述だけで、民俗や習俗の文献には見当たらないと報告されている。
やってしまったら・言いかえ
改まった場では黒か濃紺で書く。
補足
日本の赤は必ずしも凶ではなく(朱印・紅白・赤飯・鳥居)、寿陵の朱はむしろ吉とされる。そのため「墓石の朱に由来するから不吉」という説明は、日本の文脈では筋が通らない。韓国・中国・台湾の忌避に比べると由来が一本化されておらず、強さも弱い。年賀状やのし袋で黒や濃紺がすすめられるのは、赤を避けるためというより「毛筆・黒が正式」という文脈のことが多い。
出典 6 件
  1. レファレンス協同データベース「赤い文字で人名を書くことがタブーであると言われる理由」(福岡県立図書館)公的機関
  2. コトバンク「寿陵」(デジタル大辞泉・精選版日本国語大辞典・葬儀辞典ほか)事典
  3. コトバンク「朱を入れる」事典
  4. 神戸新聞「赤い文字の手紙はタブー? 手紙のプロ『縁起が悪い』」報道
  5. BCN+R「若い世代は気にしない!? 『赤ペンで名前を書く』ってマナー違反」報道
  6. 時宗 光明寺「寿陵とは生前にお墓を建てること」業界団体

同じ理由の型のマナー